銭湯賛歌④<総論編>「温泉に通じる 銭湯文化」


 社会人になるまで、温泉には数える程しか行っていない。その代わり、銭湯

には、二日に空けず行っていた。自家風呂になったのは、30歳を過ぎてから。

子育て真最中で、銭湯へは行かなくなった。それで大きな湯船に浸かる魅力に

憧れて、旅行先は温泉が多くなり、最近では、一年に10回は温泉に行く。

 ここで、銭湯マナーが役立つ。湯船に入る前に、かけ湯で汗と汚れを流す。

場合によっては、体を洗ってから温泉に浸かる。湯船の中では泳がない。子供

じゃあるまいし思うが、酔っ払って湯船にダイビングして、おでこにコブをこ

さえた猛者もいた。隣の人にシャワーがかからないように、注意する、等々。

これは、銭湯で学んだことだ。最近の若者の中には、意外と守れない人が多い。

同じ仲間なら別だが、見ず知らずの大人に、なかなか注意はできない。

 銭湯では、同じ地域の住民という仲間意識があるので、マナーの悪い人には

どんどん注意する。指摘を受けた方も納得がいけば、素直に受け入れる。私も

親父から銭湯の入り方を教わったが、マナーが悪けりゃ知らないおじさんから

指導を受けた。マナーをよく守りつつ、大きな湯船にゆったり浸かり、隣の人

との会話を楽しむ。「銭湯」は、人から人へ受け継がれる、正に「文化」である。

 

副区長
文:石川義夫(足立区副区長)