【あだち銭湯歴史探訪 〜岡田湯〜】


♨岡田湯のはじまり

岡田湯初代当主は、現オーナーの祖父、岡田信行さん。
石川県出身の次男だった信行氏は、今から約75年前の30歳
の時、銭湯の仕事の景気が良いと聞いて、三男とともにに
上京。
昭和16(1941)年に信行氏は岡田湯を現在の場所に、三男
は少し後に本木にて第二岡田湯を開業した。

旧岡田湯(白黒1)
(写真:建て替え前の岡田湯の写真が店内に飾られている 
    ホームページでも見られる http://okadayu.com/)

 

順調に営業していた最中、信行氏は57歳という若さで病死。
昭和40年代に息子の外信氏が跡を継いだ。ちょうどそのこ
ろは銭湯の数もピーク。内風呂がまだ普及していない家も
多く、かなり繁盛していた。

そして今から約16年前に、二代目の外信氏も若くして心臓の
病気で他界。当時24歳だった博樹さん(現オーナー)が、
突如三代目として引き継ぎ、現在に至る。

 

♨立ち退きの危機?!

開業当初の建物は、立派な屋根瓦作りで高い煙突がそびえ、中
には富士山のペンキ絵がある、いわゆる一般的なイメージ通り
の銭湯。二代目の時に建て替え、その後平成8(1996年)に中
普請(内部を修理したり改装したりすること)、三代目に変わ
ってからも平成21(2009)年に建て替えた。

旧岡田湯(白黒2)
 

しかし、西新井駅西口のまちづくり計画の一環で道路拡張工事
のため、立ち退かなければならない事態が発生!
まだ、建物も十分使えるのに、取り壊しをしなければならない
状況に追い込まれ、銭湯を続けるかどうかの瀬戸際に立たされ
た若オーナー。
ここでオーナーは決意を新たにする。
“祖父そして両親から続いて来たこの岡田湯をやめることはし
ない”と。

新岡田湯8
(写真:下駄箱は前の岡田湯で使っていたものを取り入れた)

 

♨新しい銭湯のスタイルへ

幸い、道路拡張の立ち退き補償をもらうことが出来たため、
この機会に今までとは全く違う新しい銭湯を作ろうと博樹
さんとお兄さんとでアイデアを出し合った。
今の時代、銭湯は“生活必需品”から“レジャー施設”へと利
用者の意識が変わっている。ただ昔ながらの銭湯の良さも
残したい…と考え、平成23(2011)年に再び建て替え、現
在の岡田湯が誕生した。

 

新岡田湯4
(写真:吹き抜けとなったこの空間は、銭湯の待合室というよりも、 
    おしゃれな友達の家に来たみたい)

 

自然との一体感を感じられる各種風呂やお洒落な施設に全面改
装。太陽光を熱源とした太陽風呂や、檜風呂、星空を眺めなが
らのガーデン(露天)風呂(男湯のみ)、お肌や髪に優しい軟
水など、風呂の設備にもこだわり、ロビーにはルームシアター
や本棚を置き、吹き抜けで開放感を演出。
そこで飲む風呂上がりの生ビールは、銭湯にしては珍しいサー
バーからの提供。

新岡田湯3
(写真:太陽光が降り注ぐ、高い天井の浴室。ぜひ日中に訪れてほしい)
 

 
新岡田湯5
(写真:男湯にはガーデン風呂と名付けられた露天風呂があり、 
    女湯にはシルキーバスとスチームサウナが)
 

 

そしてハード面だけではなく、ソフト面の接客は常に一番と
心がける。
『いつもお客様が気持ち良く使っていただけるようにと
日々の掃除とお客様との対話を何より大切にしています』と、
三代目の博樹さん。
改修したおかげか、遠方からも車で来てくれる方が増えたそう。

新岡田湯9
(写真:アメニティも充実。タオルセット(タオル・シャンプー・リンス 400円)あり)
 

 

新岡田湯2
(写真:お兄さんのアイデアで、富士山のペンキ絵の代わりに 
    ハワイ在住の有名画家ヘザーブラウンの作品を掲示)
 
 
現在、オーナー兄弟と、受付や掃除をしてくれるスタッフ4名
との計6名で岡田湯を盛り上げている。
 
 
【岡田湯】
足立区関原3-43-2 ☎03-3886-3444
営業時間 15:00〜23:30
定休日 月曜
開業:昭和16(1941)年、改装:平成23(2011)年